HOME学科紹介機械システム工学科 熱物性研究室 松永直樹教授

熱物性研究室

松永直樹教授

NEWS

1

熱物性で地球環境を予測する
  • Q
    なぜ、研究を?
  • A
    コーヒーにミルクを入れると、かきまぜなくてもミルクはコーヒーの中に広がっていきますね。 このように濃度が均一になるような変化を拡散と呼びます。テレビや新聞では、黄砂や放射能の拡散などがしばしば話題になります。
現在、大気汚染や地球温暖化抑制が地球規模の課題となっていますが、その対策の一つとして、地球環境に関係のある気体がどの様に、どれくらいのスピードで拡がっていくのかを予測することが重要なステップです。

拡散係数という値は、物質の“熱物性”と呼ばれる特性を決定する重要な値の一つで、上述の予想に必要な数値なので、正確に知ると共に、条件によって実に様々な値を取るので、簡単に、早く計測する技術開も必要となっています。

松永-直樹_なぜ、研究を?_01

また、火炎および燃焼はいろいろな面で私たちの生活に役立っていますが、“燃焼”に使う化石燃料は有限ですし、“燃焼”により大気汚染や地球温暖化などの問題が引き起こされています。
このため、“燃焼工学”で取り組むべきエネルギ・環境関係の課題はたくさんありますが、私は、有限な化石燃料の代替品として、バイオディーゼル燃料に注目しています。トウモロコシなどの穀物から生成できることが良いのですが、食物がなくなってしまう危険性もあります。

松永-直樹_なぜ、研究を?_02

この解決法の1つとして、トウモロコシなどを原料とする食用油の廃棄物からバイオディーゼル燃料を作ることが考えられます。
  • Q
    どこがよいか
  • A
    環境にやさしい究極の燃料
様々な条件での気体の拡散係数が正確に分かれば、目に見えない気体の拡がり、またはスピードを正確に予測することができますから、その先の応用は多岐に渡ります。

また、自製バイオディーゼル燃料の精製では、使用済みで廃棄する食用油から燃料を作れば食料に与える影響がなく、環境にやさしい究極の燃料ができると考えて良いでしょう。

松永 直樹_どこがよいか

  • Q
    造ったモノ
  • A
    気体や燃料などの特性を詳しく調べるときには、再現性と言って、何回測っても同じ結果が出るようなきちんとした実験環境・装置が必要です。

    そのために、計測装置や機器の組み合わせを工夫したり、必要な治具を作ったりしています。 また、バイオディーゼル燃料の研究では、いろいろな食用油を使ったバイオ燃料を作っています。
  • Q
    現在の研究
  • A
    気体の未知の特性や新しい実験方法を発見する
気体の拡散係数は、テイラー法という手法を使えば、比較的簡単かつ迅速に測ることができます。 これを使って、これまでに多くの気体の拡散係数を測定してきました。その過程で、世界で初めて得られたデータも数多くあります。

また、蒸気の拡散係数もあります。通常、ステファン法という古くからある手法で測定しますが、もっと短時間に、高精度な測定値を得るためには、測定方法の改良も必要です。

このように、気体の未知の特性や新しい実験方法を発見することが私の研究です。 また、自製バイオディーゼル燃料の研究では、さまざまな条件で使用した後の食用油からバイオディーゼル燃料を作り、密度、粘度、色相などの特性を調べて、原料油との関係やエンジン性能に与える影響を研究しています。

松永-直樹_現在の研究

燃焼合成実験装置(JAXA)
ポイント!
テイラー法は、水の流れに落ちたインクが下流に移動しながら広がってゆく様子 を観察するような方法です。気体が勝手に分析器に流れ込んできてくれ るの で、測定がたやすくできます。流れをうまく利用した方法です。
ステファン法は、試験管に入れた水が蒸発して減ってゆくのを観察して、水が蒸 発してできた水蒸気の量を調べるような方法です。原理は簡単ですが、 実験を ていねいに行うと高い精度のデータを得ることができます。

TOOLS