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機械力学研究室

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鈴木保之教授

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振動の制御
  • Q
    なぜ、研究を?
世の中には、振動を積極的に利用している例もありますが、たいていの場合、機械を壊したり痛めたりするので振動を小さくする工夫がされています。例えば、地震による揺れを小さくするために、写真[1]の新宿三井ビルディングでは屋上に6基の大型制震装置TMD(Tuned Mass Damper)を設置して、長周期地震動に対する揺れを半分以下に低減しています。

写真[1]に見える6個の骨組み構造の内部は、図[2]が示すように300トンの重りとダンパー(減衰装置)からなる振り子です。

鈴木 保之_なぜ、研究を?_01

写真[1] (引用[1])

鈴木 保之_なぜ、研究を?_02

図[2] (引用[1])
TMDは動吸振器とも呼ばれていて、その研究の歴史は古くて、今からだいたい100年前(1928年,Den Hartog)にはその設計方法がわかっていました。 その原理を簡単に解説しますと、親亀だけでは揺れがひどくて困っているときに、その背中に小亀を乗せてあげると、小亀が揺れるかわりに親亀は揺れにくくなる、というものです。 新宿三井ビルディングが親亀で、屋上のTMDが小亀に対応していて振り子の張力の水平方向成分がビルの変形をもとに戻すように働いています。

鈴木 保之_なぜ、研究を?_03

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何処がよいか

振動を小さくするためには、バネとダンパーの大きさをいろいろ変えてみて設計を繰り返す訳ですが、これらの役割を形状記憶合金(SMA)アクチュエータにさせてみたら,TMDの性能をもっと高めることができるのではないか、と考え制御理論を振動の低減に応用しようとしています。

SMAアクチュエータというのは、ワイヤー状のSMAに電流を流すとジュール熱が発生してSMAの温度が上がり、その結果、ケーブルの長さが縮むという原理を利用しています。

私たちは、単振り子を実体振り子に換えるとともにこの実体振り子にモーメントを作用させるためのSMAワイヤーを設置して、その長さを最新の制御理論に基づいて時々刻々変えていけば、より高性能なTMDを作れるだろうと予想しています。

造ったモノ

今年の卒業研究で、ステンレスの物差し(高層ビルのつもり)と実体振り子で、動吸振器の実験装置を作っています。

現在の研究

実験装置を作ると同時に、制御系の設計をするために、振り子と物差しを数学モデルに置き換えて数値計算でTMDの性能予測をしたり、 またSMAアクチュエータを自由自在に操れるように、SMAの振る舞いを微分方程式で表すとともに、実験によって正しいことを確かめたりしています。

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