FACULTY OF ENGINEERING
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計算機による知的問題解決

水野一徳教授

知的な問題解決とシミュレーション
Q
なぜ、研究を?
A
私は、人工知能や人工生命といった分野、知的な情報処理に関わる研究に興味があります。
私たち人間は、何らかの意思決定をするときに、様々な「知識」を用いて、直面している問題をある意味効率的に解決しながら日々の生活を送っています。 また、コンピュータの性能はどんどん上がってきているものの、私たちの身の回りには,コンピュータでも手に負えないような複雑で難しい問題がたくさんあります。

私は、人間が持つ「知識」を利用してそのような難しい問題を効率的に解決する方法や、現実世界の複雑な社会現象を、コンピュータ上に知的にシミュレートする方法について研究しています。
私は、人工知能や人工生命といった分野、知的な情報処理に関わる研究に興味があります。
Q
どんな特徴があるの?
A
問題にはその解決を見出すための様々な情報や材料があります。そして、それらの情報や材料の間には何らかの関係や条件があります。
それらは問題を解決するために必要な「知識」です。

人間はそれらの知識を知っていますが、コンピュータで知的に問題を解くためには、これらの知識をコンピュータに分かる形で表現して、利用してもらえるようにする必要があります。

また、その表現された知識をどのように利用して解を導くかという手順も与える必要があります。
私が現在取り組んでいる研究は、人工生命的な方法や蟻や蜂の群れ行動をヒントにした方法を利用した手順を考えています。

一見すると、全く無関係に思うかもしれませんが、例えば蟻は、1匹1匹では決して高度な知能を持っていませんが、集団として生き抜くため餌を探し、結果として餌と巣の間の最短経路を見つけるという高度な群れ行動を実現しています。
問題にはその解決を見出すための様々な情報や材料があります。そして、それらの情報や材料の間には何らかの関係や条件があります。1
問題にはその解決を見出すための様々な情報や材料があります。そして、それらの情報や材料の間には何らかの関係や条件があります。2
Q
どんな成果があがった?
A
問題解決の方法については、これまでいくつかの方法を考案して、様々な問題に適用する実験を行ないその有効性を確認しています。
これら考案した方法のほとんどは、コンピュータが特に苦手としている領域の問題を、従来の方法よりも効率的に解決してくれるという特長があります。

また、難しい問題を意図的に生成する方法については、問題の部分構造に注目して生成する方法を考案して、現在もより難しい問題を作るためにはどうしたらよいか考えています。
また、自律的に変化する仮想都市空間の生成や、渋滞や事故など道路交通現象の可視化システムなどを開発して、様々な交通現象のシミュレーションや信号制御の方式などを開発しました。

問題解決の方法については、これまでいくつかの方法を考案して、様々な問題に適用する実験を行ないその有効性を確認しています。1
問題解決の方法については、これまでいくつかの方法を考案して、様々な問題に適用する実験を行ないその有効性を確認しています。2
Q
今後の展望は?
A
コンピュータにとって苦手な問題をなるべく効率的に解決する方法を考案していく上で、世の中にはヒントになる知的な要素や現象がまだたくさんあると考えています。
それらをどのように取り入れるかは難しい課題かもしれませんが、いろいろな方法を考えていくことで、そのような問題がコンピュータにとって本質的に難しい問題なのかを明らかにできる日が来ればいいなぁと思っています。

また、人間の持つ知識を利用した問題解決によって、例えば画像処理やWeb上にあるようなたくさんの情報の効率的な処理など、もっとたくさんの応用システムを開発していきたいと思っています。