通信・ネットワークシステム
前山利幸教授
スマートフォンを支えるワイヤレス通信技術
Q
なぜ、研究を?
A
皆さんは、ホームページの確認や友達とのメッセージのやり取りにスマートフォンを使っていると思います。 このとき、スマートフォンは電波を使ってインターネットに接続し情報のやり取りをしています。
ところで、その電波はスマートフォンのどこから放射されているかご存知でしょうか。
写真1はあるメーカーのスマートフォンの背面カバーを外したものです。 USBの充電コネクタの上に薄いフィルムが貼られています。黒い筐体と同じ色なので写真からは判りにくいのですが、これがアンテナです。 このアンテナにより電波が空間に放射され、または空間にある電波が受信されます。ここで、電波とは何でしょうか。
皆さんが学んでいる物理学の教科書で説明されている電場、磁場が電波となります。 ワイヤレス通信は、1895年イタリアのマルコーニによって発明されました。 このワイヤレス通信は、電場、磁場の電磁気学に加え、電子回路、ディジタル回路、符号理論など様々な学問の上に成り立っています。 この技術の奥の深さに魅了されこの研究の世界に入りました。 研究の分野はあまりに広いため、私はその中でもアンテナ、電波の飛び方そして通信の仕組みについて、企業の研究所に勤めていたときから現在まで研究を進めています。Q
何処が良いのか
A
ワイヤレス通信の一番の利点は、いつでも、どこでも、だれとでも通信できることでしょう。
スマートフォンをお使いの皆さんはその便利さを体感しているはずです。しかし、大事なことは多くの理論と多くの人の研究開発のうえに成り立っていることを理解してほしいと思います。
Q
造ったモノ
A
企業と連携してスマートフォン、ケータイ電話そして通信モジュールの特にアンテナを研究開発しています。
企業との守秘義務により商品の写真はお見せできませんが、みなさんの身近な製品に使われているものもあります。
この製品化の前には、写真2に示す電波暗室という専用の設備を用いて、電波に関するあらゆる性能について測定します。
拓殖大学には、4つの電波暗室があり、それぞれ用途に合わせて使い分けています。
この製品化の前には、写真2に示す電波暗室という専用の設備を用いて、電波に関するあらゆる性能について測定します。
拓殖大学には、4つの電波暗室があり、それぞれ用途に合わせて使い分けています。
Q
現在の研究
A
第5世代移動通信システムに関わる研究開発に着手
2020年の東京オリンピックでは、
この新しい技術をみなさんにお披露目できるように日夜研究を進めています。
この新しい技術をみなさんにお披露目できるように日夜研究を進めています。
第5世代移動通信システムに関わる研究開発に着手しました。
これは、ワイヤレス通信技術によって、光ファイバー通信と同等の通信速度(数Gbps)の実現を目指しています。 この第5世代移動通信システムが実現できると4K画質の映像がタブレット端末などで気軽に見ることができるようになるでしょう。
現在は、総務省の研究所、日本のおもな通信事業者そして通信機器メーカーとワイヤレス通信の研究を行っている大学で、研究がスタートしました。 私の研究室では、基地局で使われる超小型アンテナとアンテナから放射された電波が利用者にどのような経路で伝搬するのかを電磁解析手法を用いて、研究開発を進めています。
これは、ワイヤレス通信技術によって、光ファイバー通信と同等の通信速度(数Gbps)の実現を目指しています。 この第5世代移動通信システムが実現できると4K画質の映像がタブレット端末などで気軽に見ることができるようになるでしょう。
現在は、総務省の研究所、日本のおもな通信事業者そして通信機器メーカーとワイヤレス通信の研究を行っている大学で、研究がスタートしました。 私の研究室では、基地局で使われる超小型アンテナとアンテナから放射された電波が利用者にどのような経路で伝搬するのかを電磁解析手法を用いて、研究開発を進めています。