FACULTY OF ENGINEERING
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視覚デザイン

小出昌二准教授

情報やイメージを視覚化し魅力的に伝えるデザイン
人間は情報の80%以上を視覚により取り入れている、と言われています。 つまり視覚に訴える形で表現し情報を伝える視覚デザインは、人間や社会にとって身近で必要なデザインです。

私の研究室(視覚デザイン研究室)では、プリントメディアをベースとし、各種メディアと絡めながら視覚デザインに関する研究を行っています。 その研究範囲は、街中のポスターや電車内の広告などのプリントメディアから立体的なパッケージデザイン、あなたがお気に入りの商品やブランドのマークやロゴタイプのデザインから、場所や施設などの情報を伝えるサインのデザインまで多岐にわたります。

また、これらは日常的に目にすることができ、商品やサービスも日々変化しています。 情報が溢れているこの社会で、視覚を通じてメッセージを伝えることは、実は簡単ではありません。「人の目につくこと」「見た人に印象を残すこと」「効率的に伝えること」など魅力的に表現する技術力はもちろん、人を振り向かせるためのアイデアも重要になります。

つまり、視覚デザインは「スキルや知識を総動員したクリエイティブな行為」とも言えます。
Q
その魅力は?
A
視覚デザインは、活動領域が広範囲にわたります。
例えば個人の表現の場から、企業の宣伝や地方の地域活性化などの社会や人の役に立つことまで、視覚に関することであれば幅広く研究対象となります。 またデザインを行う際には様々な条件をクリアしないといけませんが、個人の感性を反映させやすい(個性を発揮しやすい)表現の場があることと、対象を視覚化する際にアイデアを要求されるクリエイティブな作業であることも魅力と言えます。
Q
造ったモノ
A
会社のロゴタイプの提案や、様々なデザイン作品の提案があります。また表現研究の一環として造形的な作品を制作し、美術館や画廊で発表しています。
企業のロゴタイプ1企業のロゴタイプ
企業のロゴタイプ2企業のロゴタイプ
JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)企画 GIFT~未来へ託すデザインリボン展 作品JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)企画 GIFT~未来へ託すデザインリボン展 作品
JAGDA企画 やさしいハンカチ展 作品JAGDA企画 やさしいハンカチ展 作品
JAGDA企画 切手展 作品JAGDA企画 切手展 作品
ギャラリーでの作品発表1ギャラリーでの作品発表
ギャラリーでの作品発表2ギャラリーでの作品発表
Q
『現在の研究』
A
現在は、以下に紹介する2つで進めています。
世の中には多くの会社やブランドが存在し、その顔になるものとしてマークやロゴタイプがあります。 対外的な見え方を気にするのは人も会社も同じですので、そのデザインにも大変気を遣います。

一方、太古より「比」や「比率」などのプロポーションは、造形的な美しさを演出し秩序を作りだしながら形全体を統合する概念として存在し、デザインやアートの造形行為の中で利用されてきました。 代表的なものとして「黄金比」「白銀比」「整数比」等があり、どれも数理的規則性を有するものです。 はたして現代のマークやロゴタイプには「黄金比」や「白銀比」が隠されているのでしょうか?日本を代表する企業を対象に、現在調査をしています。

近年3Dプリンタの急速な普及には目覚ましいものがあり、視覚障害者向けの「触知記号」「触知図形」などが容易に制作可能となりつつあります。 しかし、かえって「理解できない図」と言われる記号やサインが増加する可能性もあります。 現在、一応のガイドラインはあるものの表示の仕方や触って分かりにくい図など問題点も多くあります。そこでデザインの観点から改善に向けての研究を始めています。
視覚の不自由な方に情報を伝えるための研究とも言えます!