工学部NEWS
ウルシの木の新規用途開発を発表
2021.08.11(水)
デザイン学科
工学部永見研究室ではFEEL J ㈱と共同で、SDGsに貢献する「ウルシの木の活用プロジェクト」に2020年度か
工学部永見研究室ではFEEL J ㈱と共同で、SDGsに貢献する「ウルシの木の活用プロジェクト」に2020年度から取り組んでいます。現在、国内で使用されている漆は約95%を主に中国からの輸入に頼っています。そこで、国産漆の復興活動の一環として、産地の地域活性化を目的としてウルシの木を活用した商品開発に取り組んでいます。
7月28日、「ウルシの木の商品開発」アイデアの発表会を開催しました。デザイン学科3年生が演習課題として取り組み、各自が企画した新規用途の課題設定、コンセプト、提案および評価について、FEEL J ㈱の加藤代表に対してオンライン形式で発表し、質疑に応答しました。
5週間という短い検討期間にもかかわらず、商品開発の様々なアイデアが提案され、加藤代表から高い評価をいただきました。今後は、アイデアの実現化をめざして永見研究室で検討を進めていきます。
ウルシの木の活用プロジェクト 合同ミーティングを行いました
花巻おもちゃ美術館にて「ウルシの木の活用プロジェクト」の展示発表を行いました
ウルシの木の活用プロジェクト:試作品を制作
■シビックデザイン研究室はコチラ
7月28日、「ウルシの木の商品開発」アイデアの発表会を開催しました。デザイン学科3年生が演習課題として取り組み、各自が企画した新規用途の課題設定、コンセプト、提案および評価について、FEEL J ㈱の加藤代表に対してオンライン形式で発表し、質疑に応答しました。
5週間という短い検討期間にもかかわらず、商品開発の様々なアイデアが提案され、加藤代表から高い評価をいただきました。今後は、アイデアの実現化をめざして永見研究室で検討を進めていきます。
共同研究概要
目的 | ① 未活用のウルシの木材を用いた商品開発を行い、ウルシの木の収益化を通じて現在ひっ迫している漆の生産体制を支え、産地の地域活性化にもつなげる。
② プロジェクト実施の過程において漆を知る機会を提供し、自然素材を活かす漆文化を広めることで持続可能な社会づくりに貢献する。 |
---|---|
実施体制 | ・拓殖大学 工学部 デザイン学科 シビックデザイン研究室(永見豊 准教授)
・FEEL J 株式会社(加藤千晶 代表取締役) |
参加学生 | ・プロダクトデザインⅢ・演習(デザイン学科3年前期)ウルシの木チーム
亀山悠作、鈴木一正、鈴木哲平、関塚壮大、玉野ゆう奈、前田大輔、綿貫凜 |
評価の高かったアイデア
「漆灯 –SHITTOU -」鈴木一正
ブラインドから漏れる光をヒントに制作しました。ウルシの木の黄色い特性を活かして、間接照明のように板に光があたるように角度を調整しました。上下の円柱は漆塗りを施し、高級感を演出しています。鈴木 一正さんのコメント
CADを使ったプロトタイプで、ウルシの木の特性を活かしきれていないことに気づき、修正して今回の提案に至りました。企画提案のポイントとして、問題提起はもちろんのことその商品を売るためのマーケティングの重要性に気づきました。今後はペルソナを設定してユーザの行動を把握すること、使用する材料の特性と加工方法についても考慮していきたいです。「木製眼鏡ケース」関塚壮大
長く使いつづけたい、プレゼントとして贈りたくなるような、高級感のある眼鏡ケースをデザインしました。ZIPPOライターのウッドプレート貼りを参考として、筒状の本体はウルシの木とし、蓋はアクセントとして金属製としました。
関塚 壮大さんのコメント
ウルシの木材を活かした木製メガネケースを提案しました。中間発表時ではあまりいいデザインではなかったのですが、最終発表までになんとか造形がまとまり、加藤代表から「カッコいいデザイン」と評価してもらい、作品づくりに自信が持てました。「テーブルの上を漆一色に」前田大輔
漆の生産地である岩手県の飲食店で使ってもらうように、ウルシの木を材料としたテーブルの小物(ナプキン入れ、メニュー立て、伝票入れ、箸立て)をデザインしました。ウルシの木は抗菌性が高いため飲食の場にふさわしいと考えました。曲面形状やロゴマークを入れて、統一感を演出しました。
前田 大輔さんのコメント
ウルシ自体が身近な存在ではなかったため自分なりに調べたところ、搔き傷や木部が黄色、抗菌性など他の木材ではあまりない特徴が多くあり、とても興味を持ちました。また、国内の漆生産量がかなり少ないことを知り、ウルシ産地の地域活性化に向けて、身近に感じられる製品を提案できればと考えました。現在、コロナウイルス感染症対策が求められる中で、ウルシの木の抗菌性を活かせる製品を考えました。飲食店は身近に感じられる場所であり、ロゴを用いることでウルシの木の認知度を上げられると思いました。今後も持続可能な社会づくりに関心を持ち続けていきたいと考えています。「ウルシの木の表皮を活かした掛け時計」亀山悠作
国産漆の復興活動の一環として、岩手県盛岡市の上米内駅が工房&カフェとして活用され、活動拠点の一つとなっています。この活動に興味がある人や漆の植栽ボランティアの人たちが集まる場所であり、ここで販売する掛け時計をデザインしました。ウルシの木の特徴である搔き傷のある表皮を活かした素朴な掛け時計です。
亀山 悠作さんのコメント
中間発表で指摘を受けた意見を参考にモデリングを進めました。仕上げるまでは大変でしたが、良いデザインというお褒めの言葉を戴き、嬉しかったです。また漆の木をそのまま使うため、その加工方法や対策などをさらに調べればよかったと思いました。株式会社FEEL J 加藤代表のコメント
単なる商品デザインにとどまらず、ウルシという希少木材に関する社会課題や特徴をよく調査し、漆文化への共感度を高めるという目的も重視しながら取り組んでいただいたことに感謝しています。回を追うごとにデザインが洗練され、ターゲットユーザーが明確になり、頼もしく拝見しました。どのアイデアも更に細部を精査していくことで実現可能なものだと思います。ここから未来の持続可能な社会に貢献するプロダクトが生まれることを引き続き期待しています。◆関連ページ◆
永見研究室とFEEL J ㈱とのウルシの木の活用プロジェクトがスタートウルシの木の活用プロジェクト 合同ミーティングを行いました
花巻おもちゃ美術館にて「ウルシの木の活用プロジェクト」の展示発表を行いました
ウルシの木の活用プロジェクト:試作品を制作
■シビックデザイン研究室はコチラ