FACULTY OF ENGINEERING
工学部NEWS

ウルシの木の活用プロジェクト:木製吊り手の実用化に向けた意見交換を実施しました

2023.02.20(月)
デザイン学科  
工学部永見研究室ではFEEL J ㈱と共同で、SDGsに貢献する「ウルシの木の活用プロジェクト」に2020年から
工学部永見研究室ではFEEL J ㈱と共同で、SDGsに貢献する「ウルシの木の活用プロジェクト」に2020年から参加しています。漆産業と漆産地の活性化、SDGsへの貢献を目的として、漆掻き後のウルシ木材の活用に取り組んでいます。
本プロジェクトの一環として電車内のつり手をウルシ木材で製作し、引張強度試験を行いました。1月下旬、東日本旅客鉄道㈱ くらしづくり・地方創生部門の鳥海さん、(一社)次世代漆協会の細越代表、FEEL J ㈱の加藤代表とオンラインにて意見交換を行いました。当初、基準引張強度の3倍を目標に、薄板を重ねた合板にするなどの工夫を行いましたが、2倍の強度が最大値でした。また、新型コロナウイルス感染症対策として車内の消毒や除菌を実施することから、常時での実用化は難しいことが分かりました。しかし、イベント時での使用なら、基準の緩和により使用の可能性があること、クラウドファンディングで制作費を確保し使用後にリターン品とすること、など実用化のアイデアを共有できました。

参加学生のコメント

上原 健太朗(埼玉県立狭山経済高等学校出身)

試験サンプルの製作と強度試験を担当しました。当初は、基準強度で破壊してしまいましたが、実習工場の戸引先生には繊維方向の弱点を解決するための合板のアイデアをいただき、基準強度2倍まで上げることができました。櫻田先生には鉄材による補強のアドバイスをいただき3倍の強度を達成できました。工夫により強度が上がるのは楽しい経験でした。また、機械システム工学科の木原先生には引張強度試験の協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
ウルシの木の活用プロジェクト:木製吊り手の実用化に向けた意見交換を実施1意見交換の参加者
ウルシの木の活用プロジェクト:木製吊り手の実用化に向けた意見交換を実施2プレゼンテーションの様子
ウルシの木の活用プロジェクト:木製吊り手の実用化に向けた意見交換を実施3引張強度試験の様子

共同研究概要

目的 ① 未活用のウルシの木材を用いた商品開発を行い、ウルシの木の収益化を通じて現在ひっ迫している漆の生産体制を支え、産地の地域活性化にもつなげる。
② プロジェクト実施の過程において漆を知る機会を提供し、自然素材を活かす漆文化を広めることで持続可能な社会づくりに貢献する。
実施体制 ・拓殖大学 工学部 デザイン学科 永見豊 准教授
・FEEL J 株式会社 加藤千晶 代表取締役
参加学生 ・永見研究室 上原 健太郎(4年)、呉 敏(大学院2年)、上原 健太(大学院1年)

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